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北恵那鉄道は大正11(1922)年設立・大正13(1924)年に岐阜県下中津町~下付知間22.1Kmを開通、木材・石材の輸送と旅客輸送で営業していた中小私鉄です。他廃止私鉄の例に漏れず、道路の拡幅・モーターリゼイションにより時間帯別に順次バス化され、昭和53(1978)年9月に廃止となりました。デ1型2は保存車として残りましたが木造車ゆえに保存状態が悪く、1996年に解体されてしまいました。
モデルのデ1形は、大正13(1924)年・北恵那鉄道開業時に新製された梅鉢鉄工所製10m級両運転台車で、製造当初はダブルルーフ箱型車体・軸距離が12フィートもあるブリルEー2というラジアル台車を装備していました。後に戦時中に急速に老朽化した車体を同じく木製で作り直し、更に1950年代後半には、2軸ラジアル台車から同じブリルの76-Eー2台車を名市交から譲り受けてボギー化されました。集電器はポールのままでしたがこれも1962年ごろに同じ名市交の発生品のZパンタに交換されています。HLは昭和40年代に入ってからLP42相当の上部取り付け型に交換されています。ただし装着していた機器類は単車用のままで更新はされず、最終期にもエアブレーキホースは設置されずにいました。
それでも中津町構内の入替、国鉄線への受け渡し等は単車のエアブレーキのみでこなしていました。また、ごく稀に山の田川や美濃福岡発着の貨車、中央板紙の余剰貨車の疎開回送などで本線走行をしていたようです。(線内発着貨車は殆どが下付知発の木材で中型電車牽引です。直通ブレーキが無いため、積載貨車牽引時には速度制限が厳しかったようです)貨車のト101型は、同じく北恵那鉄道が開業した1924年に日本車両で10両製造された内の1両で、廃線時まで残っていたのは105と107だったと記憶しています。(1975年頃までは109・110がいたようです。他にも木造有蓋車や鋼製無蓋車などが複数存在していましたが、廃線時は有蓋車1、無蓋車2のみでした)
このモデルはHOサイズ・1/80です。基本的に最後まで残ったデ1型2とト101型105をプロトとしています。
車体は、ケント紙・アート紙・桧材・経木シート・プラ材・金属線材等利用の完全自作です。窓は二段の箇所は段付き、ドアはこの当時の木造2段・中桟縦2本としています。屋根は木製・バルサ材板削り出し硬板処理、床板はボード紙貼り合わせ・桧角材組・鉛板を使用しています。台車はヤマ模型のブリル76E側板使用。センター等は他材料です。,パンタは同じくヤマ模型性名市交Zパンタ旧型で、パンタ台を一部改造して取り付けています。また、製品が架線集電対応品のため上昇域が大きく、北恵那鉄道のきわめて低い架線トロリーにはそぐわないため、ナイロン糸を介して車体側に引っ張り上昇域を少なくしています。折り畳み収納可。床下機器はベースはエコーモデルの私鉄旧型用で、釣合溜・エアタンク等一部変更しています。車端の連結器はカトー汎用型自連、解放テコを取り付けています。フットステップはスペースの都合で台車と干渉してしまうため省略しています。HL(前灯)はエコー製100W前照灯。実車がほぼ日中の入替でしか稼働していなかったので点灯箇所はありません。動力は、いさみや製吊り掛け駆動方式の台車内1モーター内蔵・1両両側モーターとしています。(モーターは相互に連結しています)集電性能を上げるため、絶縁側車輪からもコンタクトで集電していますので、片側4か所・全車輪集電となっています。ただしこのブリル76は極端に軸距離が狭いので、モーターを車体上側に持ち上げて設置しています。よって動力源のモーターガ軸直上に位置しているため動軸への伝達が上手くなく、走行はぎくしゃくしています。塗装は、デ2は昭和40~53年頃の上半山吹色・下半緑です(実車は全体がもうちょっと粉を吹いたような色合いでしたが)。ト105は黒色です。屋根はやや暗い焦茶色、床下は全て黒色です。ト105も軸箱周りをエコーモデルのシュー式軸受け、フットステップ・エアシリンダ・エアホース・連結器以外はすべて自作です。一応実車の写真で確認できる部品は付けていますが、多少原型と違うものもあります。また、側面あおり板・妻面突き当て板・床板は木材りようの木造車です。床下の配管は想像です。レタリングは通常貨車記号と数字、ヤマ模型の北恵那社紋です。ウェザリングは雨だれを含めてかなり強く表現してあります。
重ねまして、この車両は完全自作の1/80・HO・16,5mmゲージ車両になります。
連結運転では実物相当のスピード程になると思われます。また、モーターと台車の構造上の問題があるため、牽引車両は3-4両程が限界と思われます。全体として、寸法の齟齬、部品の齟齬・欠落・他部品の流用、取付位置の誤差、塗装のムラ・カケ・ダマ等、過度なウェザリングと思える場合があります。
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